松本行政事務所

令和5年10月より最低賃金が引き上げられます


 

 

令和5年10月以降の地域別最低賃金が決定されました。

 

今回は各都道府県で39円~41円引き上げられ、北海道では現行の920円から40円上がり、960円なります。

 

 

 

最低賃金とは


最低賃金とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。各都道府県ごとに最低賃金が設定されており、都道府県労働局が定期的に改定を行います。最低賃金は、労働条件の最低基準を確保し、労働者の生活水準を維持することを目的としています。

 

 

 

最低賃金を下回った場合


仮に最低賃金額より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。したがって、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはならなくなり、また、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められています。

 

 

 

最低賃金の対象となる賃金


最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。

具体的には、実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。

 

(1) 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)

 

(2) 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)

 

(3) 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)

 

(4) 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)

 

(5) 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)

 

(6) 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

 

 

 

最低賃金額以上かどうかを確認する方法


 

(1) 時間給制の場合

時間給≧最低賃金額(時間額)

 

(2) 日給制の場合

日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

 

(3) 月給制の場合

月給÷月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

 

(4) 出来高払制その他の請負制によって定められた賃金の場合

出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を、当該賃金計算期間に出来高払制その他の請負制によって労働した総労働時間数で除して時間当たりの金額に換算し、最低賃金額(時間額)と比較します。

 

(5) 上記(1)、(2)、(3)、(4)の組み合わせの場合

例えば、基本給が日給制で、各手当(職務手当など)が月給制などの場合は、それぞれ上記(2)、(3)の式により時間額に換算し、それを合計したものと最低賃金額(時間額)を比較します。

 

 

 

 

最低賃金の改定にあたっては、最低賃金法に定められた次の3要素を総合的に勘案することが原則とされています。

 

○ 地域における労働者の生計費

○ 地域における労働者の賃金

○ 通常の事業の賃金支払い能力

 

毎年の最低賃金改定の動向を把握した上で、賃金の支払い状況を確認し、令和5年10月までに適切な対応をしましょう。

 

 

社会保険労務士・行政書士 松本行政事務所

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